番号題名作詩年月日曲(賛美歌ほか)
B01
君は葡萄樹――ヨハネ伝15章――1977.Spring讃美歌273B「わがたましいを」

君は葡萄樹 われらその枝
いのちの君に 連(つら)なりあれば
つねに緑し 枯るるを知らず
花咲き香り ゆたかに実る

祈りて在れば み霊の光
わが身にそそぎ 力は来たり
愛の燈火(ともしび) 心に点(とも)り
われを貫き み業は進む

「わが葡萄園(ぞの) わが召団(エクレシヤ)!
みたまの力 いのりに受けよ
十字架を負いて われに従え!
使徒の昔を 今とし生きよ」

わが主イエスよ われらの幹よ
み霊の愛に われらは生きん
大和島根に 若枝(わかえ)を伸ばし
葡萄の房を 頒(わか)ちて与えん
B02使徒らの昔を1979.12.09讃美歌359 「夕陽はかくれて」

使徒らの昔を 慕いて我は
聖書(みふみ)に読み入り 祈りてあれば
み霊の我が主は わが身を抱き
十字架に耐え得る 力を賜う

聖書(みふみ)の現実(うつつ)は 次元の高き
み霊のたばしる 生命(いのち)の世界
み霊の我が主は わが身を抱き
十字架に耐え得る 力を賜う

主の日を遵(まも)りて 戦いあれば
聖(み)霊も呻きて 執り成し給う
み霊の我が主は わが身を抱き
十字架に耐え得る 力を賜う

聖旨(みむね)のまにまに わが業(わざ)をなし
主に在る生きざま 貫き往かん
み霊の我が主は わが身を抱き
十字架に耐え得る 力を賜う

わが世の旅路も 日暮を迎え
夕(ゆうべ)の鐘の音(ね) 暮韻(ぼいん)嫋々(じょうじょう)
み霊の我が主は わが身を抱き
十字架に耐え得る 力を賜う

終末(おわり)の峠を 踏み越え進み
星のしるべにて 嶮路を往かん
み霊の我が主は わが身を抱き
十字架に耐え得る 力を賜う

常世(とこよ)の晨(あした)の 明くるときには
天使(みつかい)天降(あも)りて 昇らせ給え!
み霊の我が主は わが身を抱き
十字架に耐え得る 力を賜う
B03晨に夕に1979.12.11讃美歌319 「わずらわしき世を」

晨(あした)に夕に 朝日夕陽を
胸中(みぬち)に迎えん み民われらは

浮世の渦(うず)より わが家に帰り
しばし休らいて 聖書(みふみ)を開く

聖書(みふみ)の光は われをばとらえ
み神のドラマに ひき入れ給う

祈りの魂(たましい) 神に迫られ
み言(ことば)さながら み霊の生命(いのち)

はらわたの嘆きを 主は知り給う
友らはいづこぞ 独り祈る

されどみ空には 使徒らの万軍
看(み)護りてあれば 孤軍安けし
B04天なる母よ――母小池みつ子の23周年記念の日に――1980.01.19讃美歌519 「わがきみイエスよ」

天(あめ)なる母よ 汗と涙の
幾十年(いくととせ)をば 勤労(つとめ)給へり
主よ主よ 愛を尽くせし
すべての母を ねぎらいたまえ

天なる母よ 北支の古都に
子を失いて 帰途に失明
主よ主よ 愛を尽くせし
すべての母を ねぎらいたまえ

天なる母よ 闇の旅路を
かこつことなく 忍び給へり
主よ主よ 愛を尽くせし
すべての母を ねぎらいたまえ

世の母たちよ 子女らの胸に
信望愛の 花を咲かせよ
主よ主よ 愛を尽くせし
すべての母を ねぎらいたまえ

世の母たちよ 世界に平和
もたらすものは 愛の力よ
主よ主よ 愛を尽くせし
すべての母を ねぎらいたまえ

世の母たちよ 讃歌(うた)を合唱(うた)いて
愛の虹をば 世界に架せよ
主よ主よ 愛を尽くせし
すべての母を ねぎらいたまえ
B05巷のおのこら1979.12.14讃美歌530 「うき世の嘆きも」

巷(ちまた)のおのこら 求めは何か
家路の乙女ら 何をか語る
君らの心の 求むるものは
聖書(みふみ)にあるなれ ひもときてみよ

「喫茶のお店に 立ち寄る人よ
たのしく語らん わが体験を
心を開きて 聴きたまえかし
いのちの言は よろこびとならん」

「聖書の話は 奇(く)すしきドラマ
からだに受けたり 生命のひびき
そのときにわかに 歓びに満ち
わが身は生きたり 何にかたとえん」
B06今はいづこで
(小池辰雄独唱あり)
1980.03.14中山晋平作曲「さすらいの歌」

今はいづこで 暮らしておるや
星は移るも 忘れめや
美(は)しき想い出 かぎりもあらじ
おみなおのこら 今いづこ

あつき祈りを ひとりで祈り
十字架のもとで われは待つ
岩にせかるる 谷川の如
流れ流れて 会うときを

受けしみ恵 忘れておらじ
聖書(みふみ)ひもとき 祈れかし
昔を今の み霊の愛よ!
いつか集会(つどい)に 馳(は)せて来よ
B07都の西の――武蔵野幕屋四十周年記念歌――1980.11.30讃美歌461 「主我を愛す」

都の西の 武さしの村に
幕屋を張りて 四十歳(よそとせ)を経(へ)ぬ
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!

わが兄政美 北京の地にて
十字架を負いて いのちをすてぬ
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!

その死の祈り われをば打てり
われはめさめて 主を信じたり
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!

無教会なる 群に育ちて
十字架を仰ぎ みたまを知らず
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!

時は満ちたり 阿蘇の山にて
友の手島と 主に叫びたり
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!

み霊は降(くだ)り バプテスマされ
われらは使徒の 信に帰りぬ
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!

三十年(みそとせ)経たる 滝見荘にて
昔を偲(しの)び 感慨無量!
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!

使徒らの次元 ああ慕はしや
キリスト召団 進みゆくなり
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!

東京・京都 大阪と奈良
埼玉・裾野 増えよ召団
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!
10
我らは聖名に 栄光(さかえ)を帰して
無的実存 貫き往かん
わが主イエス 救い主!
われら生く エン・クリスト!
B08明治と大正――七十七路(1981.2.7)の峠にて――
(小池辰雄独唱あり)
1981.02.01讃美歌312 「いつくしみ深き」

明治と大正 昭和五十六(いそろく)
はやくも過ぎにし 七十七(ななそななじ)路よ
辿(たど)りける路は 惨(みじ)めなれども
み恵みは深く 胸中(みぬち)にぞある

わが兄政美と 内村・藤井・
塚本の師恩 など忘れめや
友なる手島と 阿蘇の山にて
受けたる聖霊(みたま)は 我らを変えぬ

かのときこのかた み霊(たま)は宿り
使徒らの次元に つらなりたれば
霊(く)すしきみわざは 破れ器に
現われ給えり ただ聖名を讃(ほ)む

旧約新約 神のドラマぞ
聖書の焦点は 無者キリストぞ
彼は無私の人 神はすべてぞ
神秘のこの無に 漲(みなぎ)る聖霊(みたま)

十字架・聖霊 この福音の
証者となりてぞ 今こそ我ら
使徒らの一路を 貫き往かん
キリスト召団 勇みて進め

病患(なやみ)ある者に 手を按(お)き癒(いや)し
求むる者には 聖書(みふみ)を語り
迷う人々に 道をば示し
苦しむ人をば 祈り助けん

世紀の終末(おわり)は ややに近づく
我らは各々 聖名にありてぞ
天賦(てんぷ)の仕事に 力を尽くし
主のため世のため 生涯(いのち)を捧げん
B09春を迎え――イスラエル旅行歌――1981.03.17田村虎蔵作曲「青葉の笛」

春を迎え イスラエルへ
テマサトラベルの 同行の群
今や出で往く 聖地への旅
この空路み旨かしこみて往く

音に聞きし 約束の地
今こそ希望(のぞみ)は 満たさるるなれ
わがキリストの み跡慕はし
この旅路すべてみ腕のうち

アブラハムの 旅路のあと
イサクとヤコブの 面影しのび
エレミヤ、イザヤ 預言者の声
そのひびきこそは新たなれや
B10主のみわざ慕いて――伝道の使命――1981.05.07讃美歌331 「主にのみ十字架を」

主のみわざ慕いて み霊により
人のため世のため 力尽くさん

原始なる福音 力に満つ
使徒たちの如くに 道を伝えん

無限無量なる この福音
いついづこにても 語りつたえん

この福音を身に つけし我ら
ひとにつたえざれば 禍(わざわい)なり

誰しも伝道の 使命ぞある
召団の兄弟姉妹(はらから) 大胆なれ!

聖名のためなれば み名に在りて
み名のみ力をば 体現せん

聖名のためなれば 十字架を負い
アナテマ魂 貫き往かん!
B11塩の湖の――聖地旅行記念――1981.05.07スコット作曲「春の夕 岡に海に」

塩の湖(うみ)の黄昏(たそがれ)どき
み空画(かぎ)る虹の弓!
死海の西 赤き山は
自然の要塞マッサダ
砂漠つづく丘の腹に
クムラン写本の穴あり
叢葉(むらば)の蔭ヨルダン見ゆ
長程サマリヤ越えゆく
湖(うみ)の面に帆影うごく
噫なつかしやガリラヤ湖
「深みに往け! シモン・ペテロよ」
主イエスの御声の聞こゆる
B12わが名のためには――黙示録第2、3章――1981.08.31聖歌582 「神の聖子に在す」

わが名のためには 耐え忍べよ
原始(はじめ)の愛なる 我と共に
勝利を得れば パラダイスなる
生命(いのち)の樹(き)の果(み)を 汝(な)れに与へん

我はアルファなり オメガなるぞ
汝艱苦にぜ 主を欣(よろこ)び
死を越ゆるまで 忠実なれよ
汝はうち勝つ 第二の死にも

愛する召団 勇み進め
両刃(もろは)の剣の 閃(ひらめ)く下(もと)
勝利を得れば 神秘なるマナ
新しき名をぞ 汝れらに与へん

光の眼(まなこ)の 神の子なり
人の心腸を 見給ふ君
「汝れの信望 愛を知るなり
曙(あけ)の明星は 汝が光なり」

汝(な)が眼を覚(さ)まして 帰り来たれ
み霊の衣(きぬ)着て 進み往けよ
勝利を得れば 汝の名をば
生命の書(ふみ)にぞ われは記(しる)さん

ああ全世界に 戦争(いくさ)あらん
核の爆弾も 降らば降れよ
主は避けどころ み霊は力!
聖国に帰らば 栄光の柱石

アーメン主キリスト 根源者よ!
み霊は火の如 燃えて熱し
主は扉(と)を叩く 開(あ)けて愛餐!
主と一つなるぞ すべての召団
B13東京駅頭――噫小池政美――
(小池辰雄独唱あり)
1981..09.16讃美歌312 「いつくしみ深き」

東京駅頭 見送りてける
兄(かれ)の面影は 髣髴(ほうふつ)として
わがまなかひにぞ 今も浮かびて
時の流れをば 忘れしむるか

噫、小池政美 胸底深く
十字架を荷(にな)いて 独り北京に
十字架を在りて 戦い貫(ぬ)けり
誰かは知らんや 彼の涙を

この世を去るとき 白き衣の
キリスト現われ 彼を呼びけり
「主は招き給う 我を聖国へ
さらば母上よ ゆるし給えや!」

秋はまだ浅き 九月二十二
北京のみ空へ 天翔(あまが)けりける
時しも青春 二十路(ふたそじ)七つ
彼の生涯(いのち)こそ 永遠(とわ)の星なれ

星霜(せいそう)は移り 六十路(むそじ)を経たる
この秋奇(くす)しや 今ぞ北京へ
われは旅に立つ 福音のゆえ
七宝(しっぽう)の道の 桂子女史らと

われらのキリスト! 我らの力
道伴(づ)れとなりて 助け給えよ
聖霊の愛は われらに満ちて
中国の人を 抱き包まん

七宝の道の 個展は北京
洛陽二都にて み霊の作品(わざ)の
証しを立ててぞ 中日間に
文化の虹をば 永遠(とわ)に架けなん
B14ああ見晴るかす――長城と天壇――
(小池辰雄独唱あり)
1981.10.09讃美歌515 「十字架の血に」

ああ見晴るかす 北の尾根の
万里の長城 何を語る
登り往き 筆を執る
わが後べに 誰か迫る

振り向き見るに 誰も居らず
み霊に震えて 筆は走る
ささやくは 誰なるや
振り向きけるに 人影なし

ああ霊(く)しきかな 小池政美
われらを呼びてぞ 黙示しける
鳥の如 城を越え
天壇(てんだん)指して 魂(たま)は飛べり

大理石なる 天壇の蔭
犠牲(いけにえ)の壇の ほとりに坐し
主に歌い 祈り入る
仰げば月と 宵(よい)の明星

見よ天壇の 真中の上
白妙えの天女 舞い昇れり
われらの主 キリストよ
この霊徴に 我ら応(こた)えん
B15世界に名だたる――中国の旅――
(小池辰雄独唱あり)
1981.10.24 & 10.26「追憶」

世界に名だたる 北京の故宮に
宝玉玖瑰(マイエ)の 輝く宝刀
見出しわれらは よろこびに酔えり
その道しるべは 小池政美なり
ああ夢路の啓示(しらせ)!

北京と洛陽の 七宝芸術展覧
いづれも中国の 胸に沁み入る
われらの女史の 芸術(たくみ)の源(もと)こそ
主のみ力なり 聖名に栄光あれ
ああ友好の虹よ!

中国の古都西安 神秘の華清池
水面(みなも)に映りし 楊貴妃の影
今もたゆとうや 月影ゆれたり
悲劇に終りし 玄宗の姫(ひめ)
ああ東洋の華(はな)よ!

李白、杜甫、楽天、 詩人の都
洛陽の河べ 岩をうがてる
天つ龍門の 仏像の御影
歴史を貫き そのみ魂(たま)は生く
ああ霊(く)すしや如来!

曠漠涯(は)てなき 中国の南
心を躍らす 奇峯連なる
八重に畳(たた)なわる この大景視
大空を指してぞ 雄叫(おたけ)ぶ姿よ
ああ素晴らし桂林!

そびゆる畳采(じようさい)山 晨に登れば
眼下(がんか)の漓江(りこう)は 紺碧(こんぺき)の流れ
夕に登れば 陽光(ひかげ)にかげろい
山嶺(いただき)は妙えに 彩(いろ)どられゆけり
ああ忘れじこの日!

漓江(りこう)の河くだり 爽快(そうかい)なりけり
茅(かや)船往き交(か)い 岩間に畠(はたけ)
船路は龍の如 神秘のパノラマ
創造のみ神の このみ業奇(く)すし
ああ世界の桂林!

朝霧たなびく 山影の下
漁(すなどり)船往く 暁(あけぼの)の湖(うみ)
東雲(しののめ)を破り 赫(あか)き陽(ひ)昇れば
黄金(こがね)の小波(さざなみ) きらめきわたる
ああ太湖(たいこ)の晨!

長江と黄河を 結びて延びる
運河は万里の 水路なるかな
旧(ふ)りにし船体(ふね)をば 家とし生くるや
原始の相(すがた)の 素朴の人々
ああ運河の生命(いのち)!
10
幼き時より 音に聞きたる
華やかなる市(まち) 上海(しゃんはい)の夕
汽船を眺むる 人々の群
あこがれの胸に 幸(さいわい)あれかし
ああ東洋の港!
11
長程日日(かが)なべて 三十日(みそひ)に近き
中国の旅路 感慨無量!
百聞一見に 如(し)かずと悟る
親しみ深めん 中国の人と
ああ神の子らよ!
B16炎の如く1981.11.10讃美歌514 「弱き者よ」

炎の如く み霊燃えて
全召団に 霊火をともす
キリストは 力なり
エン・クリストの 現実(うつつ)なれや!

み空翔(か)ける み霊の翼(はね)
全召団に 天降(あも)りし給え!
祈り入る キリストに
主と一つなり あなうれしや!

噫この世紀 危機を孕(はら)む
宇宙を抱く 主キリストよ
天を裂き 闇の世に
霊光投げて めさましめよ!
B17すべての人に――我は罪びとの首なり(テモテ前書1・15)――1983.8.31「浜辺の歌」
(この歌は合唱すべきものに非ず)

すべての人に 救いあれ!
然かあらざれば 如何にせん
罪びとらの 首(かしら)こそは
この身なれば パウロの如

主のみ声あり 「我れこそは
十字架に在りて 汝(な)がために
罪びとらの 首(かしら)となり
あがないたり 汝(な)がすべてを」

主は知り給う いと深く
われは黙して 主にゆだぬ
見よ、キリスト 来たり
われを抱く エン・クリスト!

主に在りて 我れ十字架と
み霊の愛に 生くるなり
主のスティグマ わが身にあり
噫、主の愛 極み無けれ

主のみ光を 身に浴びて
主のみ力に 満たされぬ
主と一如(いちにょ)に 無者とされて
主の身証(あかし)を 生きてし往かん
B18八十路の峠1984.01.10一高寮歌「暁寄する新潮の」

明治は三十七の年 日露開戦その前夜
如月(きさらぎ)の星閃めけば 弥生(やよい)が岡に産声(うぶごえ)を
あげて生(あ)れにし吾(わ)れなるか

幼き時に父は去り 母は五人の遺児抱(かか)え
お茶の水なる女子校に 教育の道励みつつ
われらをよくぞ育てたる

我は弱虫泣虫の 寔(まこと)「づくなき」児(こ)なりけり
さはれ真善美に対し 感激性の浅からぬ
夢ゆたかなる少年よ

同心町の二階屋に 舎兄政美と暮らしける
附中時代の生きざまが 髣髴(ほうふつ)として目交(まなかい)に
現前するかな感無量!

長兄北京に仆れたり 母は船路に失明す
次兄の忍苦いかばかり わが青春の暴風雨(あらし)なり
天地晦冥どん底よ!

水戸高校の時にして 大手町なる内村の
聖書の講義胸をうち 光を浴びて信ぜしは
二十歳(はたち)に満たぬ時なりし

病の波に襲われて 惨憺(さんたん)たりし四年間
聖書とルッター、ヒルティーを 灯火(ともしび)として辿(たど)りける
独り旅路を忘れめや

東大独文学窓は 古典の粋たるゲーテ、シラー、
ダンテとミルトン、欧米の 詩歌の世界に憧憬(あこが)れて
日に夜を継いで読み耽(ふけ)る

藤井の門下五星霜 主の日遵(まも)りて貫きぬ
噫、千九百三十年 内村、藤井仆れたり
み空に点(とも)る巨星(ほし)二つ
10
阿蘇の深山(みやま)の瀧見荘 聖霊降臨、新生よ!
使徒らの次元慕はしや 十字架・聖霊(みたま)の現実を
生涯(いのち)を賭けて行き貫(ぬ)かん。
11
大道無門キリストの 無者たる実存賜りて
左顧右眄(さこうべん)なくわれは往く 万人(すべて)を抱くキリストの
無量の愛ぞ力なる。
12
八十路(やそじ)の峠を迎えたり 無尽の涙を霊泉とし
漲る血潮を霊火とし 吹き捲(ま)く聖霊(みたま)を台風(あらし)とし
一大詩篇は成りゆかん!
B19真白き峰の――キリスト受難劇への旅――1984.05.17~28讃美歌214 「北の極なる」

真白き峰の アラスカを越え
北の極なる 星を仰ぎ
西へ西へと 我らは飛べり
その旅心 妙(たえ)なるかな

世にも名だたる ロマン街道
ヴュルツブルクに そびゆる城
クレクリンゲン 噫マリヤ像よ!
往けども尽きぬ 緑の原

ローテンブルク 中世の市街(まち)
昔を今の そのゆかしさ
大都ミュンヘン ピナコテークよ!
ノイウルムには 百歳嫗(ももとせびと)

ヴィース教会 ロココ芸術(たくみ)の
最美の型と 瞠目(どうもく)せり
ロマンの権化 白鳥の城
夢か現か 外観(そと)も城内

上部(かみ)のアンメル 救済(すくい)を祈り
村人こぞり 受難劇を
創始(はじ)めて年は 三百五十
観劇の客 全世界ゆ

演ずる人は みな素人
そのコーラスの 神さびたる
ひびきは山に 谺(こだま)するか
観劇の客 しづもりたり

十字架上の キリストの影
棄身の演技 胸に迫る
復活の主と マグダレナの
出会いの場面 あなうれしや

インスブルクよ ザルツブルクよ
歴史を語る 教会堂
今の世の人 祈り心を
忘るる勿(なか)れ 生ける神に

列車は走り スイスに向かう
窓べの景観(ながめ) 忘れがたし
湖畔の市(まち)は ルツエルネなり
アルプスの国 ああ美わし
10
旅の果てなる ユングフラウよ
霊視せよとて 雲に隠る
グリンデルより アイガー仰ぐ
「愛(アイガー)がある会」 再(ま)た会うまで
B20
イスラエルの旅1985.02.17讃美歌512 「わが魂の慕いまつる」

イエス・キリストの み跡したひ
はるかなるイスラエルへ
われら旅せん 旅心は
世界平和祈りつつ
ゲッセマネの森 ゴルゴタにて
あがないの愛を浴び
園の御(み)墓より よみがへりし
キリストに今日も会いなむ

ああベツレヘムよ 救主の
生(あ)れましし星の夜(よる)よ
聖子(みこ)のみ光 今日も明日(あす)も
旅路を照らし給へよ
クムラン、エリコ サマリヤを経(へ)
ガリラヤ湖に出づれば
今もキリストの み声聞こえん
山上の大告白!

ガリラヤのカナ かの婚宴
招かれしマリア、イエス
饗宴(うたげ)のさなか 葡萄酒尽き
すべもなきにキリストは
瓶(かめ)に満ちたる 水を視(み)つめ
祈りにて酒(さけ)に化す
キリストの愛は み力あり
主の愛に今日も生きなむ
B21日本キリスト各召団に寄す――聖書伝道五十年の峠にて――1990.08.05讃美歌169 「聞けよやひびく」

み霊の翼 うち張り翔ける
伝道の旅人(たびと) 北斗の召団

公文(くもん)の教育(おしえ) 聖書の智慧の
証明(あかし)となすは  日光の召団

教育の業(わざ) 地道になして
福音するは 浅間の召団

霊峯仰ぎ 弱者を助く
愛の証示(あかし)の 白隠召団

比叡の麓(ふもと) 学問(まなび)の子らに
主の愛流す 加茂川召団

光明(ひかり)皇后(きさき)の 慈悲の心を
主に在りて生 三笠の召団

円現塾の 源泉何ぞ
み霊の力 浪花(なにわ)の召団

七宝の美術 創作無限
福音の光 玖瑰(マイエ)の召団

農事はいのち 主の心なり
種子蒔きをなす 讃岐の召団
10
聖書(みふみ)の写本 全うしたる
天剣の人 鹿児島召団
11
五三、三五の イザヤの預言
そのキリストの 武蔵野召団
12
エン・クリストの 旗幟(きし)あきらけき
十一の召団 ハレルヤ・アーメン
B22失明と十字架――聖書伝道五十年記念日を迎えて――1990.09.22(この詩歌は愚生が独吟すべきもの)讃美歌404 「山路越えて」

大正の世に 兄と我れは
同心町にて 共に暮らす

兄はいつも 主にひたすら
従いまつりて 雄々しかりし

噫(ああ)北京は 彼の任地
正に火の如く 燃えて在りし

サタンの業(わざ) 彼れは知れど
十字架を負(お)いて 彼れは去りぬ

父亡きあと 母は多年
我々のために 労苦せしぞ

母は今や 兄を亡(な)くす
その悲歎(かなしみ)は いかばかりか!

遺骨抱き 母は海上(うみ)に
失明したるぞ 何たる無情!

兄き十字架 母の失明
実(げ)にわが生涯(いのち) 弔戦(ちょうせん)なり

聖書伝道 町に山に
五十年(いととせ)峠の 秋のこの日!
10
受けし 想ひ返し
み前に平伏し 独り落涙(なみだ)
11
主キリストは 我れを愛し
み霊の力を 与え給う
12
世は棄つれど 君は棄てず
悲願を必ず 遂げさせ給う
13
預言者・使徒! 我れも燃えて
炎の告白 詩(うた)とならん
14
聖名に在りて 神のドラマ
生涯(いのち)の限りを 詠い尽(つ)くさん
B23聖書伝道五十年の峠1990.09.29一高寮歌「そよぐ橄欖風かほる」

世紀は二十一の年 北京の空に星一つ
光芒妙えに点りしは 長月二十二の日なり
わが兄政美若くして 生命を棄てぬ何ゆえぞ

父亡きあとの嶮路をば のぼりつくせし峠にて
杖と頼みし長男の 遺骨抱きて帰るさの
黄海上にわが母は 失明したり噫無情!

我れは内村山脈の 藤井の門下五年(いつとせ)の
世紀は三十路(みそじ)その時に 内村・藤井仆れたり
かくてその友塚本の 門弟となり学びけり

世紀は四十路(よそじ)星の日に 富士を仰ぎて武蔵野に
幕屋を張りてキリストの 道を伝えて今日茲(ここ)に
五十年(いそとせ)の秋迎えたり 峠の感慨(おもい)無量なり

時期(とき)は世紀の五十年よ 阿蘇は霜月三日より
垂玉(たるたま)温泉(いでゆ)瀧見荘 深き祈りの集会(つどい)にて
手島と小池ひたすらに 神・キリストに叫びたり

彩雲裂きて聖霊が われを霊撃したりけり
その瞬間にわが体躯(むくろ) 宙(ちゅう)に浮びて地に伏しぬ
わが全身はみ霊にて 漲りあふれ痺れたり

かかるみ霊のバプテスマ 受けたる我は信仰の
霊(く)しき次元に入れられて 聖書のヴェールとり去られ
生命(いのち)と光、み力が われに臨めり噫感謝!

キリスト・イエスは山上に 大告白を宣(の)たまえり
その第一言神韻ぞ み霊に在りて冥想す
これ福音の礎石(いしずえ)ぞ 我れ平伏して体受せり

その第一言斯く言へり 「わが十字架は汝(な)が魂(たま)を
贖い採(と)りて無者たるの 現実(うつつ)の中に置きたるぞ
聖(み)霊は汝れを天国の 栄光(さかえ)の中に入れたるぞ」
10
十字架聖霊一貫の 絶対恩寵身につけて
使徒らの道を我は往き 不思議と力身証(あか)しつつ
左顧右眄なく四十年 伝道したり聖名讃う
11
聖書は神のドラマなり 神・キリストのみ光が
罪過さわなる闇の世を 光の国に化せんとす
噫罪深き人の世は 大破局(カタストローフ)まぬがれじ
12
われも同じく罪びとぞ わが生涯もドラマなり
我をば譏(そし)るパリサイに 何をか言はん我は往く
我を棄てざる主に在りて 魂極(たまきわ)る路果つるまで
13
神の歴史の過現未を 主のみ光に映し見て
み霊の愛と智慧をもて ドラマを謳はん使命あり
ダンテとゲーテ詩の国ゆ 我を助けよ詩(うた)の道
14
「世界歴史は審判史」 かく詠いけるシルレルの
詩語(ことば)は正に真理(まこと)なり さはあれ審判(さばき)の奥深く
あわれみあれば立ち帰れ キリストの愛受けよ人
15
権力武力財力に 涙と血潮流したる
各民族の人よ知れ 神の国にて汝(みまし)らは
神の慰め豊けくぞ 必ず受けて楽しまん
16
我が詩(うた)の道果つるとき われ山頂にあらまほし
われ唯だ独り平伏して キリストさまに祈り入り
天使の翼(はね)にのせられて 御国の園に入らまほし
17
さらば召団それぞれの 集会(つどい)を地道に続けつつ
こいねがわくは聖名のため 血の雄叫びに相応え
聖霊(みたま)に在りてわが友ら 生くるは伝道果てしなく
B24米壽を迎えて1992.02.07一高寮歌「春三月の武香寮」

千九百の九十二年 我は米壽を迎へたり
如月の空風寒く 雪白く天降(あも)り来たれり
聖霊の力ぞわが魂は 次元の飛躍与へらる

啓示に因れる詩の旅路 み光のもと十余年
嶮路なれども跋渉の わが脚にみ力臨み
二十世紀を突破して 無限性なる詩よ成れよ

世紀の終末(おわり)近づけり 世界に遍き国々が
天意の使命自覚せば 必ずや平安臨み
かくて愛もて助け合ひ 平和の世界を来たらせん

されど庶民も為政者も サタンの謀略(はかり)に操(あやつ)られ
利害でかたみに諍(あらそ)はば 大自然の動植物も
そのため遂に滅びゆく かくて我らも自滅せん